HOME > 2023春季生活闘争

2023春季生活闘争のコメント

2023春季生活闘争におけるJR7単組の妥結結果を踏まえてのコメント(3月17日)

2023春季生活闘争の基調

<2023春季生活闘争スローガン>
2023春季生活闘争で「未来づくり」の取り組みを深化させ、
    働きの価値に見合った魅力ある賃金・労働条件と働き方の見直しを実現しよう!

JRの責任産別であるJR連合は、加盟単組はもとより、労働組合に護られていないグループ会社や協力会社等の仲間にも想いを馳せて、以下の基本的なスタンスに基づき、加盟単組一丸となって2023春季生活闘争に取り組むこととします。

そして、春季生活闘争の取り組みを通じて、健全な労働組合と労使関係の必要性を内外に広く訴え、JR産業に集うすべての仲間のJR連合への総結集を呼びかけていきます。

なお、2023春季生活闘争を取り組むにあたっての基調については以下の通りです。

(1) JR産業の魅力回復・向上にむけ「ONE TEAM」で春季生活闘争に臨み、労使で未来をつくる

現下の国内情勢はコロナ禍に加え、物価上昇やエネルギー調達の不安定化、円安の急激な進行など様々な課題に直面しています。物価が上昇する中、製造業や小売業をはじめ多くの産業で適正な価格転嫁が進んでおらず、ウクライナ戦禍の長期化等が先行きの不透明感を一層強くしています。こうした状況下で、働く者の可処分所得は目減りして厳しい生活を強いられており、賃上げに対する世間の期待が高まっています。

JR産業では、上場4社が2023年3月期第2四半期決算で3期ぶりに最終黒字を達成したものの、経営・雇用・生活水準の回復に相応の期間を要することが必至となる中、若年・中堅社員を中心とした離職に歯止めがかからず、産業を支える基盤が揺らいでいます。

2023春季生活闘争は、これまで以上に社会におけるJR産業の立ち位置を強く意識した取り組みが求められており、私たちはJR産業全体の魅力回復・向上にむけ、加盟組織が「ONE TEAM」となって働く仲間の力を結集し、未来を見据えた「人財への投資」による人財の確保・定着と離職の防止、採用競争力強化の取り組み、すなわち「未来づくり春闘」を深化していかなければなりません。

また、物価上昇への対応を喫緊の課題と捉え、働く仲間のくらしをまもるべく、これまで以上に月例賃金の向上にこだわった取り組みを展開するともに、各種労働条件・環境の向上にむけた取り組みを推進していきます。今こそ、JR各労使は課題認識を共有し、産業の魅力を向上させるべく、賃金・処遇面の見直しや大胆な働き方改革に能動的に取り組み、働く者の意欲を高め、生産性向上と処遇改善に繋げていく必要があります。

(2) すべての仲間の想いを包摂し、あらゆる「人財への投資」を実現する

@ 月例賃金にこだわった処遇改善の取り組み

2022年第29回賃金実態調査(JR連合)の結果より、加盟単組における賃金がそれぞれ設定する目標賃金に届いておらず、また、目標賃金との乖離も昨年と比較して拡大するなど、JR産業における厳しい賃金実態が明らかとなりました。

よって、中期労働政策ビジョンで社会水準を意識して設定した目標賃金を念頭に、「働きの価値に見合った賃金水準」へ引き上げていく取り組みを力強く展開することとします。 とりわけ、物価上昇により可処分所得の目減りが続く現状を踏まえ、生活給や生涯賃金の向上に大きな影響を及ぼす月例賃金にこだわり、目先の支払い能力論に捉われるのではなく、「未来づくり」の観点から、JR産業の持続的成長に求められる「あるべき賃金・労働条件の水準確保」を目標に掲げ、バックキャストの思考でその水準を引き上げる取り組みを展開することとします。

また、コロナ禍では月例賃金総額に占める勤務実績に応じた手当の比重が高い業種で、月例賃金が大きく減少するといった課題も顕在化したことから、手当偏重の賃金制度を改めていく取り組みもあわせて推進していきます。

A 意欲と能力の発揮を可能とする働き方の実現

優秀な人財の継続的な確保には、賃金のみならず個々の労働条件を含めた働き方全般について点検し、改善を図る取り組みも重要です。

コロナ禍により生じた新たな生活様式が社会に浸透する中、JR産業でも働く者のニーズを汲み取り、テレワークやオンライン会議・研修等の有効活用を図りながら多様な働き方の実現に取り組む必要があります。同時に、時代とともに変化する勤労観や家庭等のあり方に関する価値観に対応する観点から、業務の効率化・省力化をはじめ、JR産業特有の就労形態である特殊勤務や夜間作業の縮減、転勤問題の解消など、産業の構造的な課題についても大胆な改革を行うべく、労使で危機意識を持って取り組む必要もあります。

また、安定的な労働力確保のためには、女性や高年齢者の活躍も不可欠です。有期・短時間・契約等労働者をはじめ、労働組合に護られていないグループ会社や協力会社等の仲間にも想いを馳せ、個々人のニーズにあった多様な働き方の仕組みを整えていくことが重要であり、多種多様な事情や背景を抱える人財が就労を希望する限り安心して働き続けることができる職場環境を構築していかなければなりません。

2023春季生活闘争においても、JR産業で働くすべての仲間の想いを包摂し、意欲と能力を可能とする働き方を実現すべく、総合生活改善闘争との位置づけのもと継続した取り組みを展開することとします。

(3) JRグループ全体で生み出した付加価値の適正分配を通じた、JRグループ内における格差是正と労働条件の底上げを実現する

JR産業は、グループ会社や協力会社等の仲間によって事業運営が支えられていますが、依然としてJR各社との労働条件の格差は解消されていません。

JRグループ全体の経営回復および持続的発展のためには、グループ会社や協力会社における人財の確保・定着が不可欠です。JR各単組は、グループ全体で生み出した付加価値の適正分配と適切な価格転嫁についての労使協議を徹底し、グループに集うすべて仲間の労働条件向上にむけて、取り組みを強化することとします。

グループ労組においても「働きの価値に見合った賃金水準」へと引き上げるべく、中期労働政策ビジョンで設定した必達目標賃金にこだわった取り組みを展開します。その上で、グループ会社とともにJR産業を支え続ける協力会社等に対しても同様の取り組みを拡げ、JRグループ内における格差是正を図ります。